2024/01/04
雅楽にチャレンジ!
神社好きが高じて、雅楽にもチャレンジし、かれこれ5年以上になります。
雅楽のなんとも言えない心地よい響きにハマっています。
雅楽といっても大きく3つに分けられます。
① 国振歌舞(くにぶりのうたまい)…神楽など、宮廷行事や儀式で演奏。
「神楽歌(かぐらうた)」、「東遊(あずまあそび)」、「久米歌(くめうた)」など
② 楽舞(がくぶ)
・唐楽(とうがく)…中国、天竺、林邑系(左方)から来たもの
・高麗楽(こまがく)…朝鮮半島、渤海系(右方)から来たもの
③ 歌曲(かきょく)…「歌物(うたもの)」ともいう。国内で生まれたもので漢詩や和歌に旋律をつけて歌う。
「催馬学(さいばら)」と「朗詠」
「唐楽」はさらに
・管弦(かんげん)…合奏のみ
・舞楽(ぶがく)…合奏+舞い
に分かれます。
私は、唐楽「管弦」の「龍笛(りゅうてき)」(横笛)を習っています。
最初の1年は音がぜんぜん出なくて、苦労しました。
悔しかった!
ようやくまともに音が出るようになったのは、3年くらい経ってからですね。
最近、神社の祭事で演奏させてもらうまでになりました。
なにごとも『継続は力なり』ですね。
神社にもよりますが、基本的に以下3曲を演奏しています。
・越天楽(えてんらく)
・五常楽急(ごしょうらくのきゅう)
・陪臚(ばいろ)
「管弦」で使われる楽器には以下があります。
■打物: 太鼓、鞨鼓(かっこ)、鉦鼓(しょうこ)
■弾物: 琵琶(びわ)、筝(そう)/琴
■吹物: 笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)
笛には、さらに
高麗楽で使用する「高麗笛(こまぶえ)」
神楽で使用する「神楽笛(かぐらぶえ)」があります。
龍笛は、かの清少納言もお気に入りの音色だったようです。
枕草子の中に以下の感想が記載されています。
『笛は。横笛、いみじうをかし。
遠うより聞ゆるが、やうやう近うなりゆくもをかし。近かりつるがはるかになりて、いとほのかに聞ゆるもいとをかし。車にても、徒歩(かち)よりも、馬にても、すべてふところにさし入れて持たるも、なにとも見えず、さばかりをかしき物はなし。まして、聞きしりたる調子などは、いみじうめでたし。・・・』
とても趣があって良い。特に、知っている曲が聞こえてくると感激もひとしおだ、と述べています。
1000年以上も前から演奏されてきたことに感慨深いものがあります。
雅楽メモ
- 雅楽の基本
- 雅楽紹介動画
- MYお気に入り 雅楽器 演奏動画
- 龍笛の楽譜「もののけ姫」、「アシタカせっ記」
雅楽の基本
もともと雅楽は、長い間、貴族の宮廷音楽として管理されてきたので、一般庶民は演奏することはもちろん、聞くこともできないものでした。
その門が開かれたのは、近年になってからです。
いや~、気軽に雅楽を楽しめるようになって、いい時代になったものです!
ちなみに、雅楽演奏者を昔は「楽人」と呼んでいましたが、明治以降、 「伶人(れいじん)」と改められました。
(1) 基本の音階について
西洋音楽では、「ラ」の音で調律されています。(440~442Hz)
一方で、雅楽においては基準が430Hzでの調律になっています。
これは1960年ごろに雅楽の合奏をしやすくするために統一されたそうです。
この基準音が雅楽らしさとも言えます。
ただ、ピアノなどの西洋楽器とコラボしたい!となったとき、この10Hzの違いが半音程度のズレになるため、どちらかの楽器を調律しなおさないといけなくなります。
龍笛の場合、調節のしようがないので、440Hz用のものを買わないといけないですね。
あるいは、クロスフィンガリング(※)や指穴半開といったテクニックで演奏者が頑張るか…
※フラウト・トラヴェルソやリコーダーのような、半音を出すための専用のトーンホールを持たない木管楽器において、半音を出すために用いる運指法(指使い)のこと。(ウィキペディア(Wikipedia))
(2) 調子について
雅楽の調子には6つあります。
①壱越調(いちこつちょう):D音/レが主音
②平調(ひょうじょう) :E音/ミが主音
③双調(そうじょう) :G音/ソが主音
④黄鐘調(おうしきちょう):A音/ラが主音
⑤盤渉調(ばんしきちょう):B音/シが主音
⑥太食調(たいしきちょう):E音/ミが主音
壱越調の場合、「レ」の音が中心になっていて、曲の最後はこの主音で終わります。
「越天楽」という楽曲は、結婚式では「平調」、葬式では、「盤渉調」を使います。
(3) 日常でも使われる身近な雅楽用語
え、この言葉って、雅楽に由来するの?というものを挙げてみました。
・「二の句が継げない」
雅楽の歌物において、低音から急に高い音に続けるのが難しいことから。
・「二の舞を踏む、二の舞を演じる」
舞楽「安摩」に続けておこなう「二舞」から。
・「ろれつがまわらない」
音律、調子を示す「呂律(りょりつ)」がなまったもの。
・打ち合わせ
雅楽の打物(太鼓など)を合わせることから。
・千秋楽
雅楽「千秋楽」という曲を行事の最後に演奏したことから。
・やたらに
二拍子+三拍子の「八多羅拍子(やたらびょうし)」から。
・やぼ
笙には、17本の竹があり15本にはリードが付いていて音が出るが、「也(や)」と「毛(もう)」にはリードがなく音が出ない。「也・毛」がなまったという説。
・太平楽を並べる
4人舞「太平楽」という舞楽から。
・音頭をとる
雅楽での管楽器主奏者を「音頭(おんどう)」といい、合奏の最初を吹き始めることから。
・序破急
雅楽の楽章名、「序」、「破」、「急」のテンポの展開から。
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雅楽紹介動画
楽器の紹介『雅楽をはじめよう 管楽器編』(道友社)
Myお気に入りの 雅楽器 演奏動画
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【参考サイト】
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『篠笛の選び方と使い分け』
※ぜひおススメのサイトです。まずはこれを読めば全体像が分かります。
●篠笛の選び方
初心者は七本調子の篠笛から始めて表現力の高い六本調子の篠笛に移行する。
(出典: 篠笛草子)
●篠笛練習
篠笛の練習方法
吉野ともみさんレッスン
●和楽器販売店
和楽器総合販売 ONIKKO Yahoo!店
立平